フシチョウ・・・・きゅうぞうの部屋
日々のできごと、好きなもの、好きなひと、 そして、病気のことなどを綴っていこうと思っています。。   
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あなたの行方
     今日も猛暑日だそうですね。
     
     猛暑という事で・・・・
     以前、書いていた短編もどきを載せてみます。
     (少し、書き直しています)

     何時か、こんな日が訪れるかもしれませんね。

   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆

      「あなたの行方」       


       僕は、町の大画面テレビで、きょうも猛暑日だということを知った。

       毎日まいにち、茹だるような暑さの矢が僕の身体を刺していく。

       あっという間に、汗がシャツを濡らしていく。

       それを吸収する間もなく、次から次へと汗のシミができていくのだ。
       
       そして、この町の喧騒にかき消されるように、誰かの声が微かに聴こえた。

       汗をぬぐいながら信号待ちをしていた僕は、

       その声が聴こえる方角へと振り向いた。

       しかし、誰もいない。・・・・・・

       僕の背後には、たくさんの足音が行き交っていたはずだ。

       暫らく呆然としていたが、気を取り直して信号が青になるのを待つ。

       道の向こう側には、暑そうに白いハンカチををバサバサと扇ぐ
       20代前半であろう女性が苛立ちを覚えながら佇んでいた。

       その隣には、日傘を差した年配の女性が並んでいる。

       暫らくすると音楽とともに信号が青にかわった。

       その瞬間、・・・・・・・

       20代くらいの女性が足元からドロドロと溶けて、
       アスファルトと化していったのだ。

       それを目撃した僕の頭は混乱し、真っ白になった。

       ホンの一瞬の出来事だったのだ。

       今、起こった出来事が暑さのせいだと信じこもうとして
       横断歩道を駆け足で渡っていく。が・・・・

       横断歩道の真ん中に差し掛かったところで、

       今度は、日傘を差した年配の女性が溶けていく。

       彼女は虚ろな目を僕に向けたものの、助けてと懇願することもなかった。

       恐怖のあまり、周りを見渡した僕は初めて気づいたのだ。

       もう、そこに立っているのは僕だけだった。

       空を見上げた僕は、真っ赤な太陽に向かって叫んでいた。

       「何て酷いことをするんだ。・・・・・」と・・・・

       だが、その太陽はジリジリと照りつけるだけで返答などしてはくれなかった。

       そんな事を声高に叫んでいるうち、何だか僕の身体が燃えるようだ。

       「暑い・・・熱い・・・あつい・・・。」
       
       徐々に身体から気力が奪われていく、
       
       誰かに助けを求めることももうどうでもよくなっていた。

       ここには僕独りしかいないのだから・・・。

       そして、彼女たちと同じように僕の足元が徐々に溶け出していく。

       痛みも何も感じない、どうやら感覚が麻痺しているようだ。

       消え行く足を不思議に思いながら、
  
       「きょうは猛暑だから、精を出す為、夕飯はうなぎにしよう。」と
       
       僕は朦朧とする意識の中で、そんな事を考えていた。
 
                     
                   「完」



   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆


      暑さが尋常でない昨今、
      わたしたちは次世代の子供たちの為に何を成すべきか・・・
      熟考しなければなりませんね。

      稚拙な文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



         夕日に照らされて・・・
          (写真をクリックされますと拡大します)



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輝かしい未来
    少女は泣いていた。

    少女の傍らには黒尽くめの男が寄り添い、
    そっと見守っていた。

    いつもこの場所で少女は泣いている。
    いつもの光景である。

    しかし、この日は違っていた。

    ただ泣いているのではなく、
    瞳の奥には憎しみや怒りが宿り始めていることが、
    その男には手に取るようにわかったのだ。

    男は少女に始めて口を開いた。

    「あの夕日を見てごらん。
     人々の苦悩を背負って沈んでいくのだ。
     
     人々が明日、希望と共に目覚める為にね。」

    だが少女は、悲しそうな瞳を男に向けながらいった。

    「そんなこと、あるわけない。」

    「では、君の想いをあの夕日に叫んでごらんよ。」と、
    
    その男は力強く語りかけた。



    願い


    少女はその男を信じようとはしなかった。

    「もう、ほっといて!」

    そう言い放つと少女は駆け出し、いってしまった。

    その日を境に、黒尽くめの男は姿を消した。

    来る日もくるひも、少女は男を待ちわびた。

    男に詫びるため待ち続けた。

    しかし、男は二度と再び少女の前に現れることはなかったのだ。

    少女はあの日、男に教わった言葉を思い出し、

    あらん限りの声をふりしぼり、叫んだ。

    「わたしにピアノを弾ける指をちょうだ~い。

     友達や母さんと繋げる手をちょうだ~い。

     皆がわたしを見て可哀相って顔するのも、もううんざり!

     これ以上いじめられるのも嫌だ~。」

     その瞬間、水面がキラキラと輝いた。

     眩しいな




     光の架け橋は、少女の心の空白をくみ取って、
     あの夕日に届けるのだ。

     少女の悲哀をすべて引き受けて沈んでゆくであろう夕日。

     少女は、じっと自分の右手をみた。
     そして気づいたのだ・・・、まだ左手があるじゃないかと・・・。

     少女は気づいていないだろう。
     黒尽くめの男が、いつも少女の傍で見守っていることを・・・。



                 いつも傍にいるよ



     いつまでもいつまでも・・・・・。

     少女が明日の朝、目覚めた時、
     新しい自分に出逢うことを願いながら・・・。

     太陽は希望とともに昇ってくるものなのだから・・・。


     

     ◆最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
      子供の頃、友人がこういう境遇でした。
      今、彼はどうしているだろうか・・・、
      元気でいてくれるといいなと願い、書いてみました。
      
      そして、カラスは以前、吉兆を示す鳥だったのだそうです。


     *GWも(まだお休みの方もおられるでしょうね)終り、
      いつもの日常が戻ってきます。
      新人さんは五月病に気をつけて下さいね。

      もう暫らく、コメント欄は閉じさせていただきます。
      

      
聖なる泉②
     今日は「聖なる泉①」の続きです。
     ご一読いただければ幸いに存じます。

   ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

     「丁度その時、わたしの村に雨が降らず、
     かんばつ、日照りが続き農作物が枯れ始めていたのです。
     神の怒りに触れたのだと村人が騒ぎ始め、
     これから、もっと大きな災いにのみ込まれるのではないかと、皆が恐れたのです。
     わたしが暮らしていた村ではそのような時、チャクモール像の上で
     人身御供や、心臓を供え
     神に怒りを鎮めていただこうと儀式を執り行うのが通例となっていたのです。

     そしてもうひとつ・・・・セノーテと呼ばれる聖なる泉があるのですが、
     その泉にも生贄として14才の汚れなき少女が投げ込まれていたのです。

     わたしは17才となっていましたが、
     ブイレブとの恋を許さぬ許婚が、その泉への生贄にわたしの名を挙げたのです。
     村の長も、自分の決めた相手ではなく
     ブイレブを選んだわたしを許してはくれませんでした。
     僅かに、そのような心の卑しい女を神に捧げるとはいかがなものかと、
     反対するものもいたけれど、
     村の長は有無を言わさず自分の考えを押し切ったのです。

     わたしは、長のドッヘの娘だったのです。」

     ここで、このトンセノイと名乗る少女は、深く息を吐き、
     悲しい眼をわたしに向け、またもや語り始めたのです。

     「父は、この村の、揺るぎない絆を乱してはならないと、
      わたしを聖なる泉の生贄へ、
      そして、ブイレブの心臓をチャクモール像へお供えすることとなったのです。

      その頃は、わたしたち人間の命は神に捧げることが尊く、
      生贄にされる者は敬われていたのです。
      でも、許婚や、その身内による怒りの矛先が
      わたしたちに向かったのは周知の事実だったのです。」

     わたしは、その彼女の話に時が経つのも忘れ、聞き入っていたのだ。

     しかし、次の瞬間・・・・、
     その少女の魂がわたしの身体へと入り込み、
     セノーテと称される泉へと投げ込まれる正にその映像を
     わたしの目前に映し出したのだ。
     
     その場には、許婚や村人が佇み、そして、恐ろしい形相で
     わたしを、いや、少女を睨んでいたのです。
     その傍らで、ブイレブが何かしきりに叫んでいたようだった。

     「く、苦しい・・・・。」
     もがけばモガクほど、水が口中や鼻の中へと襲ってくる、
     ますます苦しさは増し、
     わたしは、気が遠くなっていくのが手に取るように分かった。

     息絶えようとしたその刹那、
     わたしを掻き抱き、優しく口づけをしてきた者がいた。
     独りで、深いふかい暗闇の底に沈んでいくのだと
     悲しい想いでいたのです。

     ホンの一瞬、力強い澄んだ瞳がわたしを捉え、
     「ごめんよ、トンセノイ・・・・。」と、
     口元が動いたように感じたのは錯覚であったろうか・・・・。

                       

     体を力強く揺すられ、頬を打たれ、
     「大丈夫ですか・・・・。」と、何度もなんどもわたしの名を呼ぶ人がいた。

     「ぐふぇ、ううっく・・・はあはあはぁ・・・・・。」と、
     苦しさの中で水を吐き出すように我に返ったわたしは、

     何故か、心が温かくなり、
     やっと知ることが出来た満足感から大きな声を張り上げ、
     子供のように咽び泣いていた。

     助け起こしてくれた学芸員も親友のみっちゃんも
     周りの人たちも、何が何だか解らず、戸惑い呆れていた。

     わたしが泣いている間、少女もわたしと一緒に泣いていた。

     そして、トンセノイは呟いた・・・・。
     「ラブ・・・、
      わたしと共に身を投げ出したのはあなただったのね。
      ずっとずっと、長きに渡りブイレブだと信じてた。
      でも、何故か心は満たされず、光りに手をふれることができなかった。
      今は知ることが出来た喜びで胸がいっぱいです・・・。
      
      わたしに体を貸して下さたあなた、感謝しています。
      あなたにも愛するべき人が現れますよう心から祈っています。」

      わたしは許婚の名前を聞いてはいない。
      でも、きっと彼だったのだろうと思う。
      子供の時分から共に暮らしていたのだから・・・・・、
      ずっと変わらぬ愛を誓っていたのだろうから・・・、
      つい人間は身近にいる者の大切さを忘れがちだ。

      「みっちゃん、いつもありがとね。」
      わたしの言葉に困惑しながらも、
      涙でグチャグチャに化粧が剥げ落ちたわたしの顔を
      まじまじと見ては、プッと噴出した。

      「もう、心配したんだからね。」と、みっちゃんはまた噴出した。
      それにつられるかのように会場中が笑いの渦と化していった。

      学芸員の方や館の皆さまに、ご迷惑をおかけしましたと
      深々と頭を下げ、わたしたちは博物館を後にした。

      そして、一本の桜の前に赴いたその時、
      蕾だった筈の桜の花びらが、瞬く間に咲き誇り、光り輝いた。

      そして、泉で共に沈んでいった青年とトンセノイが
      もう二度と離れまいと、お互いの手を固く握り
      わたしに微笑みかけていた。

      そのふたりの姿が消えた瞬間、
      桜の花びらがひらひらと舞い踊るかのように、上空に昇っていったのです。

     
                      the end


      拙い文章に、最後まで目を通して下さり、ありがとうございました。
      陰湿な、聖なる泉セノーテにも、
      悲恋ではあるけれど、こういう物語が存在したと信じたい・・・。
      

聖なる泉 ①
    皆さま、いつもお立ち寄り下さり、ありがとうございます。

    これからの数日、義母の手術やわたしの(乳せん外科)通院などで
    皆さまのところへお伺いできそうにありません。

    そして、ブログ更新できないでおりますと
    お優しい皆さまに、再び、ご心配をおかけ致しますので、
    以前、書き溜め放置していた愚作を載せさせていただきます。
    もしお時間がありましたら、拙い文章ではありますが
    目を通していただければ幸いです。

    わたしもまた時間の余裕ができましたらば、
    必ず、皆さまのブログへお邪魔させていただきますね。
    これからも宜しくお願い致します。

    では、史実も含めながら、昨年の春に遡ります・・・・。


    *   *    *    *    *     *    *    *

   いまだ肌寒さが残る3月の候、
   桜も満開とはいかず、暖かい陽射しを浴びたためか、
   風にゆらゆらと揺れては蕾たちが競演し、短い命の花びらを開花させようとしていた。

   そんな或る日、親友のみっちゃんに誘われ、
   以前から興味を抱いていた「マヤ文明展」に赴いた。

   その日は、何かを暗示するかのように、
   物悲しい蒼い空が広がっていた。
   こういう空を見上げると、何故だか胸がキュンとして無性に泣きたくなるのだ。
   
   博物館前には、人の波が列をなし、まるでわたしを拒絶しているかのようであった。
   やっとの思いで入館したものの、
   ニュースで持ちきりの「バーチャル考古学」なるものが設置されているところは、
   大人気で、とてもわたしたちが割って入るほどの隙間はない。

   それらは後ほど、ゆっくり観ていこうということで、
   他の、展示されている彩色土器やモザイク石彫などを鑑賞し、
   次なるマチャキラ石碑を食い入るように観ては、
   そこに描かれているマヤ文字の不思議さに見入っていた。

   そして、展示品の中に、誰にも見向きもされず、
   忘れ去られている一角があった。
   わたしは、そこに吸い込まれるように、いざなわれていったのです。

   小さな1体の骨が、
   しかも、身体の部位の骨が何箇所か不足しているのであろう、それらが
   無造作に横たわっており、どうやら生贄にされた少女の人骨のようである。
   その少女の周りには、指輪やネックレスなどの財宝が処狭しと並べられていた。

   神に捧げるとはいへ、他人に自分の生を操られるとは、
   なんと哀れで儚い魂なのだろう・・・・・
   そう考えていたとき、にわかに息苦しくなり、
   傍で一緒に、興味深くその人骨の説明文に目を走らせていたみっちゃんに
   倒れこんでしまったのだ。

   その様子を見ていた学芸員の男性が、素早く椅子を差し出し、
   わたしを座らせ、飲み物でも持ってきましょうと気遣いをし、その場を離れた。

   わたしは朦朧としている意識の中で、見目麗しい少女に出逢った。
   その少女は、白い絹をまとい、煌びやかな装飾品を身につけていた。
   その、あまりの美しさに、わたしは気分が悪いことを暫し忘れた。

   少女は、刺すような視線をわたしに向け、口を開いた。
   その口調は、頑なな表情とは裏腹な、
   頼りなげで、尚且つ、侘しさをも含んでいた。

   「わたしの名は、トンセノイといいます。
    わたしが居を構えていたところは、木々が密生し、
    日当たりが悪く、常に厳しい環境に身を置かねばならないほどの、
    不毛な土地でした。
    それでも、村人は貧しいながらも楽しく暮らしていたのです。
    わたしは、この世に誕生する以前から、
    村の長によって定め(運命)られた許婚がおりました。

    子供の頃より、共に遊び、共に学んでいたのです。
    一緒にいることが、あまりにも当然至極であったため、
    その事を微塵も疑うことなどなかったのです。

    ところが、成長するに従い、
    その決まり事が、非常に疎ましく思えてきたのです。
    それはなぜか・・・・
    わたしは、ブイレブという若者に恋をしてしまったのです。
    彼は勇敢で、きっといつかはリーダーとして
    皆を統率していくであろう力を持ち合わせていたのです。
    しかも、穏やかな人柄でもありました。

    そのうち、彼もわたしに夢中だということを知ったのです。
    しかし、そのことを許さぬ者たちがいました。」

    その少女は頬をつたう涙を拭おうともせず、話し続けた。
    彼女の流す涙には敵意も、遺恨すらも感じられず、
    素直な心が、わたしの内なる琴線に触れたのです。

 

                            つづく
人それぞれ・・・星を数うる如し
    少女がひとり泣いていた。

    その少女は、いつも夢のカケラをかき集めては歓喜し、
    手中に収めたと錯覚を起こしては、暫し、幸せに浸っている。
    
    しかし、その夢はいつも砂がサラサラと零れ落ちるように
    いつの間にか、跡形もなく消えているからだ。

    殆どの人間は、少女と同じようにそれらを繰り返す。
    だが、努力を重ね、夢を叶える人もいる・・・、
    社会が悪いと、
    そして、自分を必要とする時代に生まれ来なかったと嘆き、
    夢を諦める人もいる・・・。

    しかしながら、それらの夢は陽炎のようにおぼろげで、
    とても頼りないものなのだ。
    だからこそ人々は、それらが面前に迫っていても気づかないのかもしれない。
    それに気づき、チャンスを逃さないか・・・・、
    それとも、遠くを見渡せないと足踏みばかりしてしまうのか・・・。
    これが俗に言う、人生の分かれ道なのかもしれない。

    他人から見れば、ちっぽけな夢でも、
    当の本人にすれば、向かって行くにはとてつもなく大きく、
    でも、手に触れる距離に来たらば、しり込みをしてしまうのが常なのだ。

    この少女の夢は、余りにも平凡で面白みに欠ける。が、
    この時代、案外、手に入れるには難しいことなのかもしれない。

    少し、少女の人生を早送りしてみよう・・・。

    高校に進学し、スポーツに勉強に、人一倍奮起し、
    そのお陰で、大学へは推薦入学することが出来、
    大学4年の夏には、この就職難にも関わらず、大手企業に就職が内定。

    ここまでザッと早送りしてみると、少女は順風満帆ではないか・・・。
    羨ましい事、この上ない。
    彼女が泣く必要がどこにあるのか・・・、疑問ですらある。

    そこでもう一度、巻き戻してじっくり視るとしよう。

    高校に進学して間もなく、いじめに遭っていた。
    ここに書き表す事が出来ないほど、酷いイジメだった。

    少女は、それを振り払うかの如く、好きな陸上に没頭し、
    県大会に出場することに夢を馳せる。
    しかし、イジメはエスカレートし、
    或る日、誰かに背中を押され、階段から転げ落ちる。
    少女は走る事が出来なくなり、部を退部することを余儀なくされた。

    しかし、少女は諦めなかった。
    次の目標に向かって走り始めたのだ。
    もう一つの夢は、小学校の先生になること・・・。
    勉強に勉強を重ね、見事、大学への推薦を勝ち取った。
    この時も、カバンを捨てられたり、教科書を糊でくっつけられ、
    開く事が出来ないようにされたりと、過酷な日々は続いていた。

    程なくして大学に進学し、何事もなく大学生活を送っていたが、
    年を追うごとに、いじめられたトラウマが頭をもたげ、
    小学校の先生になることに自信をもてなくなったのだ。
    ここでも夢を断念してしまった彼女・・・。

    こののち、普通に就職し、そしてありふれた恋愛をした。
    数年間の交際を経て、結婚をした。

    *    *     *    *     *    *

    縁側には腰が曲がったお婆さんが日向ぼっこをしながら、
    孫であろうか・・・、
    幼い男の子に昔話を聞かせていた。

    そうこうしていると、小学校の下校時間のようだ。
    あちらこちらから、子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。

    この子供らは、自分の家ではなく、
    日向ぼっこをしているお婆さんの家へと赴く。

    「ただいま。」「お帰り、ちゃんと手洗いうがいをするんだよ。」と、
    慣れ親しんだ雰囲気で、
    お婆さんの家に帰って来る子供ら。

    数人の子供たちに宿題を教え、
    一緒に、皆でおやつを食べ、
    昔ながらのおはじきや、お手玉、けん玉・・・などで遊びに興じた。
    このお婆さんの家には笑いが絶えない。

    夕餉の時刻になると、子供らの母や父が、
    農作業を終え、迎えにやってくるのだ。

    「婆さん、今日もありがとうな。」
    「いやいや、明日もな。そうそうケンボウは咳をしてたよ、
     気をつけてやんなさいな。」

    茜色に染まりゆく空を見上げながら、
    お婆さんは、独り言つ。

    「こんな人生も、また楽し。
     小学校の先生にはなれなんだけど、
     毎日、こうやって子供らの相手ができる、
     こんな幸せなことはない。」と・・・・・。

    *    *    *    *    *    *    *

    ホンの15分ほどで、嘗て少女だったお婆さんの人生を視て、
    この艦の指揮官は述べた。

    「この地球を侵略しても無意味だ、
     われらは努力を忘れ、怠惰に生きている者こそ必要なのだ。
     だが、この少女のようにイジメを克服し長生きをすると
     ささやかではあるが揺るぎない幸せが待っているのだな。
     
     さて、次の星へと向かうぞ。
     早くしなければ、我らの森は枯れ果てる。
     栄養分をたっぷりと森へ運ばねば・・・。
     しかし、この星で彼是、1000億個目だぞ、
     夢を忘れ、無軌道に走り、
     争いの日々を送っている星はないのか!

     ・・・・・・ところで、オハジキって何だ?」

     部下は心中、艦長をせせら笑っていた。
     「この星は充分、条件を満たしていると思いますがね・・・。」

     そして艦は、瞬く間に赤い閃光に包まれ消えうせたのだ。
     これもまた夢か幻か・・・・
     
     日夜、空を見遣り・・・・・・・・
     得体のしれない飛行物体を見つけたとき、
     あなたは不安を感じますか。。。。
     それとも、堂々とした態度でいられますか。。。


                    完


            *つづきをクリックすると・・・・・


    
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