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フシチョウ・・・・きゅうぞうの部屋
日々のできごと、好きなもの、好きなひと、 そして、病気のことなどを綴っていこうと思っています。。   
あぁ~、思い出したよ。
        昨夜、なかなか寝つけなかった。

        いろいろ考えてたら、ふぁっと思い出したよ。

        乳がんだと告知されて、慌しく入院。

        病院は大きいところなので、きっと同病の方ばかりだと思っていた。

        ところが、一人を除いては、まったく違う病気の方だった。

        4人部屋。

        わたしの隣のベッドの人。会った瞬間から捲くし立てる。

        わたしは、どちらかというと人見知りが激しく、

        自分から喋るほうではない。

        だから、少し安心したのさ。

        でも、初めて会った人間に、自分の今までの人生を語り始めたときは、

        流石のわたしも、「そ、そこまで訊いていいんだろうか?」と、思ったよ。

        そして、彼女は訊いてほしくない事を、こともなげに訊いてきた。

        「なんの病気なの?」と。

        わたしは手術前だった事もあり、悲しいかな、「そのうち分かるよ。」と、答えた。

        そして手術が、無事に終わった。

        病室に戻ったわたしは、心にポッカリ穴が空いていたよ。

        そのわたしに、隣の彼女は、喋り続けた。

        少し、イライラしていた、「ソッとしておいてよ。」と、心の中で叫んださ。

        でも言えずに、夜を向かえた。

        「ううっ、・・・・ううっ。」と、声を押し殺した嗚咽が聞こえた。

        わたしと同病の女性だった。

        わたしより一回り年上、日中は病院の愚痴をいいながらも明るく振舞っていたよ。

        次の日、いつものおばさんに戻っていたさ。

        でも、今日のおばさんは違っていた。

        「実は私、3回目なのよ。」と、おばさん。

        「ん?・・・・はぁ??・・・。」と、わたし。

        「乳がん、今度で3回目。」力なく、おばさんは微笑んでいた。

        最初は、左胸全摘。その頃、リンパ節も全て取り除いていたらしい。

        次が10年前に、小さなシコリを右胸に発見し、その部分だけ摘出。

        そして、今回で3度目。

        「私、今回はじめて抗がん剤使うのよ。」と、おばさんは寂しそうに言っていた。

        わたしは、のど元まで出かかった言葉を飲み込んだ。

        昔とはいへ、どんな病院にいってたの?

        ひど過ぎると、怒りが胸のうちにひろがったよ。

        放射線治療もうけてなかった。

        でも今、わたしが言ったところで、おばさんの過去はかえられない。

        しかし、この病気の恐ろしさを、改めて感じた瞬間でもあったよ。

        「まな板よ、まな板。胸が何にもなくなったのよ。」と、おばさん。

        そして、そのおばさんも、わたしのような者に自分の人生を語りだした。

        何も知らないわたしに、きっと語りやすかったんだろうな。

        狭い病室で、2人(彼女も)の人生は、あまりに壮絶で、波乱万丈だった。

        わたしの人生など、チッポケだな。

        病気になって神さまに、

        「あなたの人生はまだまだですよ。」と、言われてるようなきがしたよ。

        でも、どうしても我慢ができない事があった。

        「わたしの周りには、乳がんの人、いっぱいいるよ。
         手術の傷跡もみせてもらったよ。」と、隣の彼女は笑っていた。

        わたしは、息子とは、よくケンカをするが、友人、知人とは、殆どケンカはしない。

        にも関わらず、カチンときてしまった。

        落ち込んでるおばさんの前で、平気で言える彼女に腹がたったさ。

        「その人たちと比べてみてよ。」と、わたしは傷跡を彼女に見せた。

        その時の彼女の顔は、思い出すたび、苦しくなるよ。

        大きく目を見開き、眉間を寄せ、気持ち悪いものでもみるような顔をしていた。

        そして、その日、彼女が喋ることはなかった。

        夜になると自己嫌悪に陥って、眠ることができなかった。

        そして、隣の彼女は「わたしは動脈瘤なのよ。」と。

        わたしは、何て馬鹿だったんだろう。

        傷つけていたのは、わたしだ。

        彼女は不安を抱えて、わたしに喋り続けていたんだ。

        ここは、病院なんだもの、みんな心が疲れた人ばかりだよね。

        わたしこそ、人のことを考えない愚か者だった、

        彼女はわたしより若いのだもの。当然だったよ。ごめんね。

        そして、もう一人のお婆さん、
        胃がんから再発、何処もかしこも癌に侵されているらしい。

        わたしの入院中、何度も倒れた、何度も熱をだした。

        でも、回復すると、好きなお菓子を夜中でもバリバリ食べていた。

        人間って凄い、生きるって奇跡だと思えるよ。

        たった10日ほどの入院で、わたしはたくさんの事を教わったよ。

        わたしが退院するとき、誓いあったんだ。

        「必ず、生き抜くこと。生きていきて、また逢おう。」 

        この1年、忙しさにかまけて、大事なことを忘れてたな。

        みんな、一生懸命生きてるよね。

        逢いたいな。

        そして、笑って「元気だった?」と、言いたいな。 

    
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