フシチョウ・・・・きゅうぞうの部屋
日々のできごと、好きなもの、好きなひと、 そして、病気のことなどを綴っていこうと思っています。。   
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人それぞれ・・・星を数うる如し
    少女がひとり泣いていた。

    その少女は、いつも夢のカケラをかき集めては歓喜し、
    手中に収めたと錯覚を起こしては、暫し、幸せに浸っている。
    
    しかし、その夢はいつも砂がサラサラと零れ落ちるように
    いつの間にか、跡形もなく消えているからだ。

    殆どの人間は、少女と同じようにそれらを繰り返す。
    だが、努力を重ね、夢を叶える人もいる・・・、
    社会が悪いと、
    そして、自分を必要とする時代に生まれ来なかったと嘆き、
    夢を諦める人もいる・・・。

    しかしながら、それらの夢は陽炎のようにおぼろげで、
    とても頼りないものなのだ。
    だからこそ人々は、それらが面前に迫っていても気づかないのかもしれない。
    それに気づき、チャンスを逃さないか・・・・、
    それとも、遠くを見渡せないと足踏みばかりしてしまうのか・・・。
    これが俗に言う、人生の分かれ道なのかもしれない。

    他人から見れば、ちっぽけな夢でも、
    当の本人にすれば、向かって行くにはとてつもなく大きく、
    でも、手に触れる距離に来たらば、しり込みをしてしまうのが常なのだ。

    この少女の夢は、余りにも平凡で面白みに欠ける。が、
    この時代、案外、手に入れるには難しいことなのかもしれない。

    少し、少女の人生を早送りしてみよう・・・。

    高校に進学し、スポーツに勉強に、人一倍奮起し、
    そのお陰で、大学へは推薦入学することが出来、
    大学4年の夏には、この就職難にも関わらず、大手企業に就職が内定。

    ここまでザッと早送りしてみると、少女は順風満帆ではないか・・・。
    羨ましい事、この上ない。
    彼女が泣く必要がどこにあるのか・・・、疑問ですらある。

    そこでもう一度、巻き戻してじっくり視るとしよう。

    高校に進学して間もなく、いじめに遭っていた。
    ここに書き表す事が出来ないほど、酷いイジメだった。

    少女は、それを振り払うかの如く、好きな陸上に没頭し、
    県大会に出場することに夢を馳せる。
    しかし、イジメはエスカレートし、
    或る日、誰かに背中を押され、階段から転げ落ちる。
    少女は走る事が出来なくなり、部を退部することを余儀なくされた。

    しかし、少女は諦めなかった。
    次の目標に向かって走り始めたのだ。
    もう一つの夢は、小学校の先生になること・・・。
    勉強に勉強を重ね、見事、大学への推薦を勝ち取った。
    この時も、カバンを捨てられたり、教科書を糊でくっつけられ、
    開く事が出来ないようにされたりと、過酷な日々は続いていた。

    程なくして大学に進学し、何事もなく大学生活を送っていたが、
    年を追うごとに、いじめられたトラウマが頭をもたげ、
    小学校の先生になることに自信をもてなくなったのだ。
    ここでも夢を断念してしまった彼女・・・。

    こののち、普通に就職し、そしてありふれた恋愛をした。
    数年間の交際を経て、結婚をした。

    *    *     *    *     *    *

    縁側には腰が曲がったお婆さんが日向ぼっこをしながら、
    孫であろうか・・・、
    幼い男の子に昔話を聞かせていた。

    そうこうしていると、小学校の下校時間のようだ。
    あちらこちらから、子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。

    この子供らは、自分の家ではなく、
    日向ぼっこをしているお婆さんの家へと赴く。

    「ただいま。」「お帰り、ちゃんと手洗いうがいをするんだよ。」と、
    慣れ親しんだ雰囲気で、
    お婆さんの家に帰って来る子供ら。

    数人の子供たちに宿題を教え、
    一緒に、皆でおやつを食べ、
    昔ながらのおはじきや、お手玉、けん玉・・・などで遊びに興じた。
    このお婆さんの家には笑いが絶えない。

    夕餉の時刻になると、子供らの母や父が、
    農作業を終え、迎えにやってくるのだ。

    「婆さん、今日もありがとうな。」
    「いやいや、明日もな。そうそうケンボウは咳をしてたよ、
     気をつけてやんなさいな。」

    茜色に染まりゆく空を見上げながら、
    お婆さんは、独り言つ。

    「こんな人生も、また楽し。
     小学校の先生にはなれなんだけど、
     毎日、こうやって子供らの相手ができる、
     こんな幸せなことはない。」と・・・・・。

    *    *    *    *    *    *    *

    ホンの15分ほどで、嘗て少女だったお婆さんの人生を視て、
    この艦の指揮官は述べた。

    「この地球を侵略しても無意味だ、
     われらは努力を忘れ、怠惰に生きている者こそ必要なのだ。
     だが、この少女のようにイジメを克服し長生きをすると
     ささやかではあるが揺るぎない幸せが待っているのだな。
     
     さて、次の星へと向かうぞ。
     早くしなければ、我らの森は枯れ果てる。
     栄養分をたっぷりと森へ運ばねば・・・。
     しかし、この星で彼是、1000億個目だぞ、
     夢を忘れ、無軌道に走り、
     争いの日々を送っている星はないのか!

     ・・・・・・ところで、オハジキって何だ?」

     部下は心中、艦長をせせら笑っていた。
     「この星は充分、条件を満たしていると思いますがね・・・。」

     そして艦は、瞬く間に赤い閃光に包まれ消えうせたのだ。
     これもまた夢か幻か・・・・
     
     日夜、空を見遣り・・・・・・・・
     得体のしれない飛行物体を見つけたとき、
     あなたは不安を感じますか。。。。
     それとも、堂々とした態度でいられますか。。。


                    完


            *つづきをクリックすると・・・・・


    
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