フシチョウ・・・・きゅうぞうの部屋
日々のできごと、好きなもの、好きなひと、 そして、病気のことなどを綴っていこうと思っています。。   
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飛べない男
      男は、皆が欲しがるほどの珍しいものを有していた。

      それを大きく広げ、
      胸を張り、そして猛々しく舞う。

      そんな男に、女たちは熱い視線を投げかける。

      しかし、男は想うのだ。
      こんな無用の長物はいらない・・・・・・、
      「俺はただ飛ぶための翼が欲しいのだ。」と・・・・・・。

      男の視線の先には、
      樹の枝に止まってこちらを嘲笑うかのように見やる黒い陰。

      そして、彼らは大空へと羽ばたいていく。

      彼らは想うのだ。
      あんなところでヌクヌクと暮らし、
      食べものに窮することのない、恵まれた生活の日々を送り・・・・・・
      時には、「あの男」が華やかに扇のように上方に羽を広げれば、
      人間どもに驚嘆され、それに加えて感嘆さへもされるのだ。
      
      「オレといへば、人間に忌み嫌われるだけの存在なのさ。」と、
      寂しく悲しげにうそぶいた。

      上空から「カァーカァー」となき喚く大合唱。
      男は彼らが疎ましい、
      しかし心は相反して憧れの存在なのだ。
      この交錯する感情を抑えきれなくなり、時々、人間を威嚇する。が、
      威嚇すればするほど、眼の前の生きものたちは喜ぶのだ。

      「飛べないことはない・・・・・・・
       しかし、この羽が邪魔をする。」

      「碧いあおい、あの空の彼方へ飛び立ち自由を手に入れたい。」と、
      男は願う日々なのだ。

      足元に這い蹲るクモをクチバシで素早く捕獲し、
      「俺はキレイなだけじゃない、
       人の気を引く為だけの道具じゃないんだっ!」と、叫んでみる。

      しかし、人間には「キーオウ、キーオウ」としか聞こえない。

      男の怒りは虚空に消え、虚しさだけを置き去りにしていった。

      しかし、男は知らないのだ。
      この世界を後にすれば、人間が決めたルールによって
      
      男は捕獲され駆除されることを・・・・・・・・・。


              あっ
                         (偶然・・・クリックするとわかります)


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